ASUS Zenbook 14X OLED UX3404VA-M3161W(2023年春夏モデル)レビュー

ASUSは2023年4月21日に春夏モデル31製品74モデルを発表しました。Zenbook 14X OLEDシリーズ にはi5-13500H搭載のUX3404VA-M3161Wとi9-13900H搭載のUP3404VA-KN132Wが追加されましたが、どちらのCPUもモバイルノートに搭載されるCPUとしてはどちらもかなり高性能な物になります。                       

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高性能なのに低価格

CPUが第13世代の13500Hを搭載、メモリにはLPDDR5-4800が容量16GB、ストレージはPCI Express 4.0 x4接続のSSDが容量512GBと、モバイルノートとしてのシステムスペックはかなり高め。

ディスプレイは14.5型、解像度2,880×1,800の2,8Kで,アスペクト比は16:10の有機ELディスプイです。またリフレッシュレートは120Hzでタッチ操作にも対応しています。

インターフェイスは左側面にUSB3.2,Type-Aポートが1つ、右側面には外部ディスプレイ出力用のMDMIポートが1つと、マイクロホン/ヘッドホン・コンボジャック が1つ、Thunderbolt 4対応の
Type-Cポートが2つ備わっています。

この性能で価格は税込149800円と他メーカーではありえない価格設定になっています。またCPUに Core i9-13900H搭載した同シリーズのUP3404VA-KN132Wが2万円プラスの税込169800円で、
こちらも性能から見ると低すぎる価格設定になっています。

以下では外観やCPU性能、グラフィックス性能、おすすめポイントを詳しくレビューしていきます。

ASUS Store Zenbook 14X OLEDシリーズ一覧

外観

本体は濃い艶消しグレーで落ち着いた色合いです。本体は重量1.57kg,材質はアルミニュウムボディで米軍軍事規格であるMIL規格に適合している。
本体塗装は、湿った手で触ると色がうっすら濃くなる程度で指紋がべたべた付くような塗装ではなく艶消し塗装特有のさらさらした質感です。

本体サイズは幅321.8mm×奥行き225.6mm×高さ16.9~17.7mm

ディスプレイは14.5型ですが本体サイズは14型モバイルノートと同サイズです。
左下ASUS Zenbookのロゴ、ラインのデザインはASUS設立30周年記念ロゴです。共に光の反射で見え方が変わます。
本体手前側の中央が窪んでいて画面を開きやすいデザインになっています。
奥側
裏面
180度開閉可能なディスプレイヒンジ

インターフェイス

右側面のインターフェイスにはThunderbolt 4対応のType-Cポートが2つ備わっており、充電しながらのマルチディスプレイ環境もType-Cでの映像出力と給電に対応したモバイルモニターがあれば充電ケーブル1本、ディスプレイケーブル1本の計2本で簡単にマルチディスプレイ環境を実行できます。

SDカードスロットは装備されていませんが普段使いでは困らないインターフェイスになっています。

右側面
左側面

キーボード

一般的なデスクトップPCのキーボードとキーピッチは19mmと変わらないため、窮屈に感じる事はありません、キーストロークは1.4mmでキートップは僅かに湾曲しており比較的に打ちやすく感じました。

キーボード
キーボードバックライト使用時は3段階の明るさ調節が変更可能

タッチパッド

本機はタッチパッド右上のアイコンをタップすればテンキーが使えます。またテンキーを出した状況でもスライドすればカーソル移動やタップ(クリック)操作もできるため非常に便利な機能です。

画面右矢印部分タッチでテンキーオン・オフ。画面左の矢印部分をタッチで2段階のテンキーの明るさ調整が可能
テンキーオンの状態(タッチパッド右上アイコンを体感で0.2~03秒タップすると起動します)

ディスプレイ

ディスプレイは(ASUS Lumina OLED)タッチ対応の14.5型、解像度は2880×1800の2.8kの有機ELディスプレイです。解像度が高く細かな文字もくっきり見えます。

アスペクト比は一般的な16:9のディスプレイより若干縦に長い16:10のディスプレイは縦の画面表示量が増え見やすいです。

黒の表現も非常に高く、色鮮やかな映像を表示できる。また付属ソフトのMyASUSのディスプレイ設定で自分好みのディスプレイの色合いに設定することも可能。

リフレッシュレートは120Hzで応答速度は0.2msとゲーミングディスプレイ並みのリフレッシュレートと応答速度で動きの速い映像やスクロール時、カーソル移動も残像がなく非常に滑らかに表示してくれます。

加えてASUS Lumina OLEDディスプレイはブルーライトが70%軽減されており、高解像度,リフレッシュレート120Hz、応答速度0.2msと非常に速く、目が疲れずらいディスプレイになっています。

有機ELディスプレイはグレア(光沢)ディスプレイなため購入前は映り込みが気になっていましたが、よほど低輝度で使用しない限りは特に気になる事はなかったです。

ただし屋外での使用や、部屋の背後の窓のカーテンが全開というような環境ではノングレア(非光沢)液晶ディスプレイに比べ当然映り込みは多くなるので、そのような環境ではディスプレイの向きに気を使う必要があります。

タッチ対応ディプレイでペンは付属

ディスプレイガラスはコーニング社のゴリラガラスが使われておりタッチペンも安心して使えますし
指での手書き入力も可能なのでWeb会議中などの簡単なメモ書きなどには使い勝手はよさそうです。

ペンは筆圧感知レベル最大4096のASUS Pen 2.0 SA203Hが付属されていますが、画面は180度までしか開かないため絵をかいたりする作業が中心という方は、多少スペックは異なりますが同シリーズで360度ヒンジ搭載のUP3404VA-KN132Wもチェックする事をお勧めします。

たまに絵を描く程度の方であれば一時的にWindowsディスプレイ設定から画面を、縦や横(反転)に変更することでキーボードが邪魔にならず多少作業しやすくなりますので本機でも十分対応できそうです。

ASUS Pen 2.0 SA203Hは充電時間30分で連続140時間使用可能、重さは16.5gで交換用チップ
(ペン先)が各サイズ4つ、ペン先の交換用ツール、Type-Cの充電ケーブルが付属しています。

ASUS Pen 2.0 SA203H
ペン先 2H 、H 、HB 、B  が付属

カメラ・マイク・サウンド

207万画素カメラ内蔵でWeb会議などでつかうには十分な性能のカメラが備わっています。またWindows Helloの顔認証対応していて設定さえ済ませれば、PC起動時のログインパスワードの入力は必要無くなる。

また本機にはWeb会議などを快適に行うためのカメラやマイクの設定が付属ソフトのMyASUSから設定ができます。

MyASUS ASUS AiSenseカメラ設定

付属ソフトMyAsus

MyASUS マイク設定

サウンド設定

音の設定は付属ソフトMyASUS内のサウンドモードの切り替えが可能。音質はモバイルノートとは思えないほど高音質で、音量を最大にした際でも低音、高音共に音割れなくきれいに聴こえます。

基本的にはサウンドモードからダイナミックを選んでおけば問題ないレベルでサウンドを聴くことができるほか付属ソフトであるDolby Accessからさらに細かい設定ができます。

またMyASUSのサウンドモードは付属ソフトのDolby Accessと連動していて、Dolby Accessから自分好みのイコライザー設定も可能です。

バッテリー性能

バッテーリー駆動時間は公称7.6時間、充電時間は公称2.3時間でバッテリー持ちはそこまでよくないので、充電環境が無い場所での使用には注意が必要です。

ただし有機ELの調光レベルを少し落とす、リフレッシュレートを120Hzから60Hzにする等の設定をすることで、大きくバッテリー持ちが改善されます。設定後はブログを書く程度の軽い作業であれば7~10時間はバッテリーが持つようになります。

本機はバッテリーの寿命を延ばすための機能として、付属ソフトのMy ASUSからバッテリーケアモードを選択できる、この機能はバッテリーの寿命を延ばすために満充電を80%に制限しバッテリーの負荷を軽減するという機能です。

バッテリーケアモードは出来ればONにしておきたい機能ですが、バッテリー持ちがそこまでよくないこの機種で満充電の制限が90%の設定が無いのが唯一不満に感じるポイントでした。

ACアダプター 差し込みはType-C/90W
本体右側面のType-Cから充電

CPU・グラフィックス性能

CPUは今年発売のi5-13500Hでモバイルノートにはめずらくパフォーマンス重視のHシリーズが搭載されています。

CPUのパフォーマンスの変更はMyASUSのファンモードで行います。ファンモードはパフォーマンスモード・スタンダードモード・ウィスパーモードの3つから選べますが、パフォーマンスモードはバッテリー駆動時には選択できないので、普段使い(バッテリー駆動時)ではスタンダードモードかウィスパーモードから選びます。

ベンチマーク

Cinebench R23をパフォーマンスモード・スタンダードモード・ウィスパーモードで計測したスコアです。

パフォーマンスモードスタンダードモードでは思ったほどの差はなく、3つのファンモードで最も省電力で動作するウィスパーモードでもマルチスコア6445pts,シングルスコア1353ptsを記録、どのモードを選んでも軽い作業の使用感で違いが出ることはなかった。

パフォーマンスモード

スタンダードモード

ウィスパーモード

グラフィック性能

本機はグラフィックカードが搭載されておらず、グラフィックス機能はCPU内臓の Iris Xe グラフィックスが使われる。

性能を表すベンチマークスコアは軽いゲームなら快適に動作するスコアが出ている。

ベンチマーク時のファンモードはパフォーマンスモード・解像度は1920×1080で画質は軽量品質で実行したスコア、いずれもCPU内臓のグラフィックスとは思えないほどの高いスコアです。

ドラゴンクエストXベンチマークでは解像度1920×1080で軽量品質設定ながら、スコア9220・とても快適。画質はかなり綺麗でカクツキなども全く無かった。

比較的重たいFINAL FANTASY XV ベンチマークでは解像度1920×1080で軽量品質で結果はスコア3110・普通。CPU内臓のグラフィック性能としては非常に高いスコアだが、ベンチマーク中はカクつく場面が何度か見られた。

ドラゴンクエストXベンチマーク

FINAL FANTASY XV ベンチマーク

3D Mark Time Spy ベンチマーク

ストレージ・メモリ

ストレージには最新のNVMe SSDがPCI Express 4.0 x4接続で搭載。
ストレージ容量は512GBで大容量ではないものの一般用途では十分な容量です。

Crystal DiskMark ベンチマーク

メモリ

メモリは最新式の省電力メモリLPDDR5-4800が搭載されており、8GB×2枚の合計16GBのメモリがデュアルチャンネルで動作する。

メモリはオンボート搭載されており交換はできないが、メモリ速度は4800MHzと高速で容量も16GBと十分なスペックなのでメモリに不足を感じる事はなさそうです。

まとめ

モバイルノートとしては、非常に高いスペックで、実際に使用して1か月が経ちましたがスペックで不足を感じる事はありませんでした。

バッテリー持ちは公称7.6時間でモバイル性が良くないのが唯一のデメリットと言えます。

ただしスペックからしてありえないほどの低価格設定でコストパフォーマンスは非常に高く、コンパクトなノートPCでも性能や機能で妥協したくないと言う方にはお勧めできる製品になります。


本製品は直販限定です。詳細はこちらでご確認ください ASUS Store

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